スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

記憶と活路と非日常

ちょっと前だけど


これにはやられた。





あえて30秒バージョンをチョイス。

たけちゃんの怒号に涙が止まらなくなった。




あ~、バカヤロウだよね。

あれもこれも、

あんなこともこんなことも

こんな自分も。。。。。。。




まあ、シンプルな演出としては

あれは海に向かっての「ばかやろう」

なんだろうさ。


でも、いつまでも波が打ちつけるように

いつまでも人の世は似たようなことを繰り返し

そして私もまた、

あの日から何か変わったのだろうか?



ふと自分自身を振り返れば

本音と嘘と行ったり来たり

理想と限界に自虐的な笑顔でふたをしていないだろうか。

自分の限界ってなんなんだ。

この年になってまで、なにそんなこと考えてんだ。




みたいな、私自身へのばかやろう。









あの日。

普段なら5分で着く道のりを

30分かかって家に帰り着いた。



息子は集団下校で、無事に帰っていた。

家はまっすぐ立っていた。

玄関と、勝手口のドアは開けられていた。

太陽も大分西に傾いている。



ツンと鼻をつくにおい。



2階の踊り場で灯油がこぼれていた。

旦那が悪戦苦闘している。

誰もけがはなかったか。

壊れて大変なものはないか。

何が止まっているのか。

(電気が止まったのは美容院で知っている)

そういえばさっきから何かが騒いでる。。。。。。。

定期的にピーピーうるさい。

あぁ、これは知っているぞ。

ガス警報器だ。

ガス、漏れてるの?漏れてない。

お義父さん、止め方わかります?

外のプロパンにメーターが付いてるでしょ?

そこに赤いボタン、ありませんか?

それ、そこに書いてある通りに止めてください。




学校、どうだった?

卒業式の練習中だった。

みんなで椅子の下に隠れたけれど、天井からなんか落ちてきて女子が泣いてた。

俺と○○は「死ぬ時は一緒だからな!!」

って言ってた。

そう、怖かったね。

死ななくてよかったじゃん。



話しながら新聞の束を抱えて2階へあがる。

夜勤の予定だった旦那が部屋の前で闘っていた。

まだ頭も体も寝ているらしい。

大量のティッシュの残骸が山積みにされていた。

それじゃらちが明かないでしょ。

新聞ひくから吸わせよう。

灯油を吸って黒くなった新聞を片端からビニールへ投げ込んでゆく。

オレ、今日夜勤なんだよ。

多分、今日は工場休みじゃない?

電気だって止まってるんだし。

新聞を撒きながら寝室に入ってみる。

四角いシーリングライトのカバーが外れていた。

2階の談話室(みたいな部屋)も寝室も。

軽いからよかったけど、真下で寝ていてよく怪我なかったね。

何がなんだかはじめは解らなかった。

地震かと思って起きたけどかなり長くて。。。。。



衣類の小部屋では衣装ケースにハンガー類が

こぞって東へ移動していた。



美容室の椅子でも感じられた何かを引きずるような振動。

東へ20キロもずれた海底の移動は

有無を言わさず地上のものを動かしていた。




そして。




そういえば帰る途中でラジオで聞いたけど津波が来ているらしいね。

7メートルとか言ってた。

いつもはせいぜい何十センチってとこなのに

みんな早く逃げてくれだよね。

とにかく逃げないと。

そうだ、ラジオつけよう、ラジオ。

情報もいろいろ集めなきゃならないし。

とりあえず電気がいつ点くようになるか判らないから懐中電灯集めよう。

釣りの時のヘッドライト、あれも使えるね。

暗くなる前にやれるだけのことやっておかないと。

私、食糧の買い出し行ってくる。

P汰、一緒に行くよ。

リュック背負って、歩いて行くから。

ジャスコなら多分臨時で販売してる気がする。

お義父さん、卓上コンロあったよね。

あれで今夜は暖をとりましょう。

コタツも無理だもの。

まずお湯が欲しくなるから鍋で御湯沸かして。。。。。

カップ麺とか、煮炊きしなくていいもの買ってくるよ。

オレは寝る。

夜勤だし。

だから今日はきっと休業だって。




家を出て隣家のおじいさんと遭遇。

うちと同じ3世代同居だが、孫まで合わせて7人家族。

運動会は家族総出で応援に励む元気なご一家の長。

どこ行くの?

ジャスコに買い出しに行くところです。

ジャスコはやってないよ。

え?

さっき行ってみてきたんだけど、やってなかったよ。

そうなんですか???

ありがとうございます。片道1キロ無駄に歩くところでした。助かりました。



ふと道路の向こう側をみるとコンビニ。

こちらは車が次々と集まってきている。

(急げ。)

頭の中で声がした。

P汰、行くぞ。

おお!

コンビニの中は朝の出勤タイムにもない人口密度だった。

今更ながらこのときの買い物内容は覚えていない。

とりあえず、別な店での買い出しを考えていたため

本当にとりあえずのものしか買わなかったように思う。

とりあえず「つなぎ」的なもの。




家を出て三角形を描いて帰り着いた。

だめだ、ジャスコやってないって。隣の○○さんに聞いたの。

仕方ないから車で探してくる。

うん、信号が点いてないからね、時間がかかるかも。

でもここで待ってても誰もどうにもしてくれないでしょ。

市や公共の何かが動いてるとも思えないし。

とにかく行ってくるから。





震災時、車を使用することにも実は躊躇いがあった。

阪神大震災の火災の映像が脳裏をよぎるのだ。

炎を消すための伸ばされたホースの上を絶え間なく行き交う車の群れ。

裂けたホースからはただでさえ低くなっている水圧の水が

時を惜しむように力なく噴出していた。




周囲の空を見回してみる。

火災を思わせる黒煙は見てとれない。

シートベルト、しっかり締めるんだよ。信号動いてないから。

おぅ!

助手席後ろのシートで息子は声を上げた。

あの瞬間から時間は過ぎてゆくだけなのに心は静まらない。

暮れゆかんとする太陽の傾きにますますせかされるばかりだ。

とにかく近場からあたってみよう、まずは○○スーパーだ。




幸運だったのだろう。

まばらに止まった車両の向こうに店の従業員らしき人影が見えた。

車を降りて同じように子供を連れたお母さんらしき人に尋ねてみた。

こちら、並んでいるんですよね?

ええ、そうです。販売してくれるそうです。

あぁ、よかった。

とりあえず今夜と明日くらいの食糧は確保しないとね。





ふと自分の仕事先が浮かんだ。

今日はたまたま私は休日だったけれど。

みんな、大丈夫だったかなあ。

お店、どうなってるんだろ。

明日は朝早めに出てみよう。




混乱を避けるため、一度に2組のお客を入れて

スーパーの店頭販売が始まった。

が、混乱は起きた。

たまたま起きた小さな思い違いが火種となった。

並び列の脇から知ってか知らずか店の人に声をかけたら

それがたまたま先に入っていた人の同伴者と思われたおばさんがいた。

同伴者と思ってしまった店の人がおばさんを店の中へ入れてしまった。

たまたまその様子をしっかり見ている後方のお客さんがいた。

あれ、あの人今来たばかりじゃないの?

ごにょごにょぶすぶす。。。。。

ちょっと、今の人並ばずに入ったんじゃないのぉ????

んだ、並んでねぇぞ。

ちょっと、おかしいでしょ。

なんで入れてんだ。




こう言ってはなんだが。

多分このあたりはこれでも被害の少ない地域だぞ。

せっかく生き延びてとりあえずはこうして幾ばくかの食糧にもありつけそうなんだし

子供たちもいっぱいいるし

やめてくれ。

これから何日続くか判らん生活なのに

あんたら元気やな。




そうこうしているうちに件のおばさんがレジ袋いっぱいの商品を持って出てきた。

ちょっと、並んでから買うんだよ、戻してらっしゃいよ!

おめぇふざけんなよ、みんなこうして寒い中並んで待ってんだぞ!

え?だってあのお兄さんがどうぞって言うから。

(お兄さんとは程遠いお歳の店長さんか主任さんだけどな)

何言ってんの、見たらわかるでしょうよぉ。

まだ会計してないし後ろに並びますから。

そういうこと言ってんじゃないでしょ???









こわ。








まあ、見て見ぬふりするよりは。。。。って言えば格好つくかも知れないけど。

どっちもどっち。

どさくさに紛れていつも言えないようなこと騒いで

日常の鬱憤晴らしているようにしか見えないじいさんばあさんばかりにゃぁ。

非日常の風景はやはり非日常に飢えた人間を肥やすんだろうな。




平常心、平常心。




いよいよ順番が回ってきたし。

さぁ、2人で5人分の食糧を確保せねばならんのだ。

ゆくぞ、息子よ。

いざ出陣!!




と思っていた矢先。

さっき後ろで騒いでいたおっさん(つぅかじいさん)が入ってくるなり

「おいおめえ。なんで先に入れたんだ??」

と、店頭でお客さんをさばいていた店長さんだか何だかさんの肩をわしづかみ。

しかも運悪く私の脇から勢いよく飛びこんでキヤガッタゼこのじじい(怒)

いいよもうじじい。

あんたのそれは正義でもなんでもなくただの憂さ晴らしで

虚勢じゃないのか?




地震の起きた現実と、地震の起こした現実に

あんた自身が縮みあがってるんじゃないのか?

ちっせぇんだよ。まったく。

いい歳こいてズルこくばばあもそれなりの制裁受けただろうが。

間違って入れちまった店員さんに食ってかかってどうすんだ。

お詫びに俺に値引きでもしろって言いたいのか、こら。





野生の動物より始末に負えない。

ただただ戸惑って動転して、目が回って。

落ち着け。




「あなたが今迷惑です」






気がつくとじじいの背中にそう言ってる私がいた。







ダメダこりゃ。

穴があったら入りたい。。。。。。















ごめんね。恥ずかしい思いさせたね。



戦利品(とりあえずは確保した)でいっぱいになったリュックとエコバッグを担ぎなおしながら

息子に謝罪した。

つい感情がほとばしってしまった。

バカ過ぎる。

息子にいやな傷を与えてしまった。。。。。。




別に、母さん恥ずかしくないよ

は?

あのじいさんうるせえんだよ。

ま、まあ、あのおじさんも間違ってはいないんだけどね。。。

みんないろいろ我慢してちゃんと買い物してんのにさ

しつこいって。



う、うん、そうだね。




いいところも悪いところも似すぎると苦労するぞ、息子よ。

でも、



ありがとう。

勇気をもらった。








家に帰ると、すっかりうす暗くなった居間に懐中電灯の明かりが四方から照らされて

電気の入っていないコタツの天板は、さながらステージのようだった。

冷たくなったご飯でおにぎりを作り

カップ麺のささやかな晩餐が、そのステージで繰り広げられた。



携帯が目覚まし代わりなので、車で充電をすることにした。

エンジンをかけるため外へ出た。

闇夜だった。

遠く地平線の方が、なんとなく明るいように見えた。

それがどうしてだったのかは今も解らない。

ただ、こぼれ落ちてきそうな星の海が

この世とは思えない時間を刻んでいた。

同じ星空を郷里の家族はどんな気持ちで見上げていたのだろう。




太平洋を望むかの地の人々は

どんな思いで見つめていたのだろう。






20時を回った頃。

1時間ほど前に出掛けた旦那が帰ってきた。

工場、再開はまだ分からないって。

だから言ったじゃん。

まあ、信号も街灯もない中

無事で良かったよ(ガソリンもったいないけど)

ほどなくして、東北は未曾有のガソリンショックに見舞われることとなる。




明日のご販。

鍋でおかゆっぽく炊くか。

じゃあお米砥ぐね。


ん????

なんだかサビ臭い。

あ、水が。。。。。。





断水だ。

















<つづく>

テーマ : 東日本大震災
ジャンル : 日記

コメント

Secret

いらっしゃいませ

*自己紹介*

マダムmika

Author:マダムmika
ようこそ
マダムmikaの「パラレルサロン」へ

日々是精進
日々是悦楽
販売業のパートと母業と手作り副業
三位一体の三つ編みの日々
こぼれた小噺 記しております

ゆる~~くかる~~く
通り過ぎてくださいませ

あらあらかしこ あらかしこ

*管理人から*

※リンクフリーです♪

※当ブログに掲載する画像や文章につきましては、前もってお話いただければ、内容如何で再配信いただいて結構です。ただし、歪曲・ねつ造などの情報操作にご使用されることは、固く禁じさせていただきます。お願い申し上げます。  また、画像への直接リンクもお勧めいたしません。

※アダルト・勧誘・宣伝・スパムのコメント(拍手コメント含む)、TBに関しましては、了承を得ずに削除の対象にいたします。

軽く主張

blog バナー

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
語りました(uu*)
皆様のお言葉♪
リンクリンク♪
このブログをリンクに追加する
メールどうぞ♪

名前:
メール:
件名:
本文:

住み分け
ここの思い出
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

誰かいる!?
現在の閲覧者数:
無料カウンター
今日のお客様
検索さん
登録検索サイト


ブログ検索サーチ


ブログ検索


BLOGSEARGH-E

FC2カウンター(無料)
カウンター
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。